言って得する「日本語の語源」

2011年05月24日

髪(カミ)

髪の毛を切っている絵を出して、「かみを きります」という文を提示すると、
結構高い確率で、非漢字圏の学生さんが「あれっ?」って顔をします。
紙と髪が/kami/という同じ音だからなんでしょう。

「髪(カミ)」は、「上の毛」を略して「カミ」となったという説と
「身(ミ)」に生えた毛に、上の部分を表す頭(カ)がついて、
頭身毛(カミケ)となり、略して「カミ」となったという説があります。
いずれにしても、上の部分の毛ということには変わりはありません。

体毛には、他に脇毛とかスネ毛、眉毛などがあります。
これらは、「毛が生える部位+毛」という複合語になっています。
髪(カミ)の/kami/という音は他にも「上」「紙」「神」があり、
「髪」は他の語を区別するために、「髪の毛(カミノケ)」と言っています。

つまり、「髪」だと区別できないだろうから「髪の毛」と呼んでいるんですね。
だからヘアカットで「かみを きります」と言われたら
外国の学生さんが、「あれっ?」という顔をするのも無理はないのです。
このような場合は、「カミ」ではなく、「カミノケ」と言うべきでしょうかね。
わたしも 襟足が伸び放題なので、週末に「カミノケを きります」。


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2011年05月21日

丁髷(チョンマゲ)

先日、NHKで、昔の時代にタイムスリップして
人々の生活の様子を取材をしていくという番組を見ました。
その日は江戸時代の髪結いさん(現在の床屋)への突撃取材でした。
当時の武家社会では、髷が結えなくなったから
何か辞めなければならないという規則は特になかったようですが、
多くの武士は髷が結えないことで、
次の世代に譲って隠居していたそうです。
このように、「髷」は武士の生活に密接に関わっていたため
当時から増毛剤やエクステのような「つけ髪」が存在していたそうです。

みなさんもご存知のように現代になっても相撲界や芸能界において
この髪形は、「丁髷(チョンマゲ)」と呼ばれ受け継がれていますが、
なぜ髷に「チョン」がついているのでしょうか。

実は、前に折り返した髷の形が、繰り返しのときに使う「ゝ(チョン)」
という文字に似ていることから、「チョンマゲ」と呼ばれるように
なったといわれ、漢字の「丁」を当てたと言われています。
江戸時代では、額や前頭部を剃り上げ小さな髷を結うスタイルを
「チョンマゲ」といったようですが、明治時代以降は、
男性が髷を結う髪型の総称として言われるようになりました。

チョンマゲのチョンが、文字に似ていることが源だったとは・・・。
現代では、髪型ではありませんが、寝癖でボサボサ頭のことを
鳥の巣などのものに喩えて言うものありますよね。
でも、文字からというのは、聞いたことがないですね。
みなさんは、何かご存知ですか?

posted by 語源な人 at 00:41| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 語源 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月17日

道楽

「かに道楽」の道楽とは、どんな意味があるのでしょうかね。
ドラ息子の「ドラ」やドロボウの「ドロ」も、
この「道楽(ドウラク→ドラ)」が語源という説があるそうです。
よく、「道楽者の馬鹿息子」なんて聞きますよね。耳が痛いです。

しかし、実際のところは意外にも高尚な言葉でした。
「道楽」とは、もとは仏教用語で「ドウギョウ」と読むそうです。
「道楽」の「楽」は「願」と同じ意味で、「仏の道を願う」というのが、
「道楽」のもともとの意味とされています。
それが、『法華経』に「道を以て楽を受く」とあるように、
道を修めてから得られる「楽」という結果の悦びを表すようになります。
それが、現代に通じ、「道楽」は趣味としての楽しみという意味を持ち、
度を越した放蕩を繰りかえすということにも使われています。

ただし、仏典では、「楽」には、「道楽(ドウギョウ)」と「俗楽」の「楽」が
2種類あるとあり、刹那的な俗楽におぼれることなく、
迷妄を脱して、仏道を願い求めていかなくてなはならないと説いています。

なかなか、「道楽」の境地には、達せませんよね。
目の前にある「欲」や「楽(俗楽)」からの誘惑にすぐ負けてしまいます。
負けないようになりたいんですが、厳しいでしょうね。
posted by 語源な人 at 00:00| 東京 ☀| Comment(6) | TrackBack(0) | 語源 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月14日

蟹(カニ)

無料クーポン当選と結婚記念日が重なったので、
週末に「かに道楽」に食事にいってきました。
「かに道楽」に行ったのは、はじめてで、
いろんな”カニ料理”があるんだなと改めて思いました。
ただ、食べ方がわからないものもあり、
非常に恥ずかしい食べ方をしていたような気がします。

さて、そんな僕の今日の語源は「カニ」です。
これには、諸説あり和語説と漢字の音変化説があります。
まず、和語説では、甲羅が硬くすぐ逃げることから
カタニゲ(硬逃)の略で「カニ」とした説。それから、古くは
海よりも川の蟹を扱った史料が多く、カハニハ(川庭)から
「カニ」とした説。茹でると甲羅が赤くなることからカニ(甲丹)、
カニ(殻丹)とした説があります。
一方、漢字の古音「蟹(カイ)」が「カニ」に変化したという
漢字の音変化説があります。中期韓国語や中国周辺の
アジア地域でも「カイ(カニ)」に類似した発音が見られたことから、
和語説よりも漢字の音変化説のほうが有力とされています。

和語説のほうが、ロマンがありますよね。
ヤモリ(守宮、家守)、イモリ(井守)なんかが、
実際にそうですからね。
posted by 語源な人 at 17:12| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 語源 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月09日

おかあさん

母の日つながりということで。
皆さんは、自分の母親を呼ぶときの呼称は何ですか。
「おかあさん」でしょうか。「おふくろ」でしょうか。
「ママ」とか「マミー」のかたもいますか?
「おかあさん」が一番多いでしょうかね。

この「おかあさん」という呼称ですが、今では普通ですが、
時代劇とか大河ドラマでは、聞かないですよね。
江や茶々が「お市」に対して「おかあさん〜!!」なんて
言っていませんでしたよね。確か「母上」だったかと・・・。

江戸時代以前の武家などの上流階級の妻(奥方)は、
寝殿造りの「キタノカタ(北の方角)」の対屋に住んでいたため
方角を除いた形で「オカタサマ(御方様)」と呼ばれていました。
この「オカタサマ」という呼称は他人の奥さんに対するものでしたが、
夫が自分の妻に対して「オ」を除いて「カタサマ」と呼ぶようになり、
それを子どもが真似て「カカサマ」「カアチャン」「カカ」
「オッカア」となったという説があります。

江戸時代末期になると、武家では「オカアサマ」「カカサマ」、
庶民では「オッカサン」「オッカア」が使われていたそうです。
明治時代になり、身分制度が廃されると、
母親に対する呼称を学校教育により統一させる動きが生まれました。
当時の『国定教科書』には「オカアサン、オハヤウゴザイマス」との
記述があり、国策として「オカアサン」という呼称を広めようとしました。
ただ、当初は、元武家の家庭からは「オカアサマ」よりも丁寧さに欠け、
庶民の家庭からは「オッカサン」よりも馴染みが薄いなどとの事から、
受け入れられるまでには、時間がかかったそうです。
ただ、学校での教育も時間が経つにつれ、「オカアサン」が
一般的に受け入れられるようになり、今に至っています。

「お母さん」は作られた言葉だったんですねえ。
もし、教科書に「オッカア オハヤウゴザイマス」とあったら、
私も「オッカア 腹減った」なんて言っていたんですよね。
日本昔ばなしみたいですね。




posted by 語源な人 at 00:00| 東京 🌁| Comment(5) | TrackBack(0) | 語源 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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